映像メディア学

博士課程のカリキュラム

東京藝術大学大学院映像研究科は創作の現場を持つ特色を生かし、理論と実践の両面から研究を深める環境を整えています。修士課程で映画専攻、メディア映像専攻、アニメーション専攻を担当する教員が、博士後期課程では一つの映像メディア学専攻に集まって講義と演習を行います。個々の学生に対しては、主任指導教員と副主任教員が継続して指導にあたります。学年の進行に応じて研究会発表やサーベイ論文提出を行い、活動業績に基づく予備審査を経て博士論文を提出するプログラムを用意しています。

博士論文の提出に向けては、大きく分けて理論中心の研究方法と、実践中心の研究方法を取ることができます。理論中心の研究方法は、従来から行われているように、論文によって成果を示すものです。実践中心の研究方法は、作品の展示や上映の形で成果を発表し、相補的な関係にある論文と合わせて研究成果とするものです。実践中心の研究方法は近年、特に芸術分野の博士課程で世界的に広まりつつあります。いずれの場合も複合的な分野の性質を反映して、研究科外の専門家を含む委員会を設けて審査を行います。これまでの修了者は、大学教員、独立した研究者、アーキヴィストなど専門性の高い仕事に携わっています。

これまでの博士論文

■氏名

■学位授与日　　　　■論文テーマ

安本匡佑 　

平成22年3月25日　　インタラクティブな映像に存在する持続的なおもしろさの創造　　　 学位論文 内容・審査の要旨

松浦昇 　　

平成23年3月25日　　『解體新書』以降の科学書における「撮影」概念の成立　　　 学位論文 内容・審査の要旨

馬定延 　　

平成23年3月25日　　日本におけるメディアアートの形成と発展　　　 学位論文 内容・審査の要旨

齋藤達也 　

平成24年3月26日　　表現としての映像の操作と把持　　　 学位論文 内容・審査の要旨

津田道子 　

平成25年3月25日　　映像の中のSubjectとObject　　　 学位論文 内容・審査の要旨

藤田至一 　

平成25年3月25日　　創作における言語化プロセスと水平思考　　　 学位論文 内容・審査の要旨

赤川智洋 　

平成26年3月25日　　物理的素材を用いた新しい表現を展示化する創作プロセス　　　 学位論文 内容・審査の要旨

劉璐女册 　

平成26年3月25日　　移住者の物語～ナラティブの権利としての文化的実践　　　 学位論文 内容・審査の要旨

横山昌吾 　

平成27年3月25日　　デジタルシネマのためのアジャイル型制作体制と編集サウンドデザイナーの提唱　　　 学位論文 内容・審査の要旨 　　 博士論文

蔡炅勲 　　

平成28年3月25日　　１９５０・６０年代の日本映画における在日朝鮮人とヘテロトピア的空間－他者性の政治学と共存の問題をめぐって－　　　 学位論文 内容・審査の要旨 　　博士論文

平成29年3月27日　　映像作品の制作・流通の歴史的発展－1960～1970年代を中心に　　　 学位論文 内容・審査の要旨 　博士論文

田村友一郎

平成29年3月27日　　断片を巡る芸術実践論　　　 学位論文 内容・審査の要旨 　　博士論文

玄宇民 　　

平成29年3月27日　　移動の記憶：マイグレーションの表象可能性について　　　 学位論文 内容・審査の要旨 　　博士論文

牧奈歩美 　

平成29年9月30日　　コンピュータグラフィクスによる世界構築の研究　　　 学位論文 内容・審査の要旨 　博士論文

ﾆｺﾗｽ･G ﾚｵﾝ

平成30年3月26日　　自伝的アニメーション・ドキュメンタリー　～個人の記憶と体験をアニメーションで表現する～　　　 学位論文 内容・審査の要旨 　　博士論文

池田武史 　

平成31年3月25日　　退屈の音楽、その制作と鑑賞の実践　　　 学位論文 内容・審査の要旨

有持旭 　　

平成31年3月25日　　独立以前のエストニア・アニメーションに関する民族誌的解釈：プリート・パルンの〈不条理〉を視座にして　　　 学位論文 内容・審査の要旨

令和4年3月25日 　　日本のアニメ制作におけるワークフローの理解を基点とした学習支援教材の開発と実践：外国人学習者の支援を中心に 　　　 学位論文 内容・審査の要旨 　博士論文（要約）

蔣雯　 　　

令和4年9月30日 　　映画における詩的身体にアプローチする俳優の身体 　　　 学位論文 内容・審査の要旨　博士論文（要約）

清家美佳 　

令和5年3月27日 　　消滅する他者と境界̶相原信洋の日記アニメーションの行方̶ 　　　学位論文 内容・審査の要旨　博士論文

宇田敦子 　

令和5年3月27日 　　紙芝居表現論 ―相互作⽤を⽣成する紙メディア表現の実践― 　　　 学位論文 内容・審査の要旨　博士論文

東方悠平 　

令和5年3月27日 　　メタ・プレイ手法を用いた芸術実践－ごっこ遊びと社会関与 　　　 学位論文 内容・審査の要旨