映像表現におけるサウンドデザインの実践的かつ実験的な表現を学ぶ
サウンドデザイン領域では、「映像作品におけるサウンドデザイン」に特化した教育・研究活動を行っています。
具体的な授業内容は(他領域との共通授業を除く)、
1.ゼミの演習において映画の現場録音から整音作業に至るまでに必要な音響機器の知識を深め、その技術を習得する。
2.ゼミの講義において「サウンドデザイン」という観点から映像表現についての知識を深め、「自分にとってのサウンドデザイン観」を構築する。
3. 実習(映画作品を制作する)を重ねることにより、映像業界の音響プロフェッショナル、サウンド・アーティスト、映像音楽家などになるための具体的なスキルを学び、習得する。
以上から成り立っています。また、生徒が独自研究をできるように、MA室、録音機材などを可能な限り使用することができる「自由な場」としてもサウンドデザイン領域は存在したいと考えています。言い換えると、当領域は映像表現におけるサウンドデザインの「実践」かつ「実験」の場でありたいということです。
映画制作技術 サウンドデザイン領域
長嶌 寛幸 教授
1966年生まれ。大学在学中に石井聰亙監督の映画音響ライブ・リミックスを行った事がきっかけで、メディアを問わず多数の作品の音楽、音響を手掛けるようになる。主な映画作品には石井聰亙『エンジェル・ダスト』、大友克洋『メモリーズ エピソード3 ~ 大砲の街』、青山真治『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』『サッド ヴァケイション』、万田邦敏『接吻』『ありがとう』、篠崎 誠『SHARING』、高橋洋『恐怖』などがある。また、電子音楽グループ『Dowser』、『Shinigiwa」としての活動も行っている。
編集領域
デジタル化においても監督の意図以上の表現ができる編集者を育成する
映画の編集とは何でしょう。撮影前のコンテに沿って撮られたラッシュ、偶然映り込んだ何か、無秩序な映像素材。それらのものをある流れにまとめ、それぞれの映像を呼吸できるように生かしていくことだと考えています。 フィルムから、デジタルへと移っても、映画編集に求められていることが変わるわけではありません。素材を深く読み込み、対話し、作品の主題を発見するといった、映画編集に求められていることが変わるわけではありません。これはつながるのか、つながらないのか。 そのためには、映画内に限らず、映画外の知識も必要となってきます。表現すべき者が身体的に把握することで、テクニックは後でついてくるでしょう。 映画のデジタル化によって、誰もが簡単に編集できる時代になったからこそ、編集者の立ち位置はかえって困難になっています。デジタル化によって、監督自身が編集できる時代に、監督の意図以上の編集ができるか。編集領域は、フィルム編集も体験して、つなぐことの基本を覚えたうえで、現在の映画環境に対応できる編集者を育成していきます。
映画制作技術 編集領域
筒井 武文 教授
映像研究科映画専攻長、編集領域教授。東京造形大学時代より、映画製作を開始。87年サイレント映画『ゆめこの大冒険』で劇場デビュー。編集、監督の仕事の傍ら、映画批評を多数執筆。現在、「キネマ旬報」誌で、新作レビューを連載中。主な監督作品に、『オーバードライヴ』(04)、『バッハの肖像』(10)、『孤独な惑星』(11)。新作に『自由なファンシィ』『映像の発見=松本俊夫の時代』がある。