公開講座『楽しい映画編集R指定』開催決定

※上映作品は対象年齢制限が設けられているため15才未満の方のご参加はご遠慮願います
昨年、好評を博した「楽しい映画編集」の第二弾。
巷にあふれる「動画編集」のテクニック指南とは異なる、「映画編集」の奥深い世界をひも解く教養講座。 今回は、裸のプログラムピクチャーとも呼ばれたにっかつロマンポルノにキャリアをはじめ、プロデューサーや監督なども務めながら、多彩なジャンルの映画を繋いできた異色の大御所編集者・鵜飼邦彦をゲストに迎える。 お相手を務めるのは前回に続き、さまざまな映画表現にチャレンジする映画監督・七里圭と、幅広く商業映画を手掛ける編集技師として本学・編集領域の客員教授でもある宮島竜治。 コンプライアンスが共通認識となった昨今、時代の変容とともに映画の基底材もフィルムからデジタルへ移り行き、何が変わり、何が変わらないのか。 編集表現の今昔を本学の横山昌吾教授のナビゲートのもと、楽しく大らかに語り合う。

      • 東京藝術大学大学院映像研究科主催 公開講座

      • 「楽しい映画編集 R指定」 

      • 8月2日(土) 開催
      • 13:00        開場・受付 
      • 13:30   上映前・宮島客員教授による解説
      • 13:35   『マリッジリング』 上映(99分)   
      • 15:15           休憩 (10分)
      • 15:25   七里×宮島トーク,  MC 横山
      • 15:55           休憩 (5分)
      • 16:00  七里×宮島×鵜飼トーク,  MC 横山
      • 17:00           終了
      • 会場 横浜市中区本町4-44 東京藝術大学大学院映像研究科馬車道校舎3F(大視聴覚室)
      • 入場 無料
      • 座席 自由(先着順)
      • 定員 100名
      • 事前申込制 2025年7月1日(火)10:00~ 受付開始
      • ※上映作品は対象年齢制限が設けられているため15才未満の方のご参加はご遠慮願います

      • ⇩申込フォームはコチラ⇩(7月1日 10:00~入力可能となります)
      • https://forms.gle/rumYKwc7EjVtzunS7

『マリッジリング』 (99分/2007年/35mm)
結婚を意識し始めた25歳のOL千波(小橋めぐみ)。しかし仕事の忙しい恋人の佳介(高橋一生)とは最近すれ違いの日々が続いていた。 そんな時、千波の部署に新任の課長桑村(保阪尚希)がやって来る。桑村のさりげない優しさが、佳介との関係に悩んでいた千波の心の隙間を埋めていく。やがて千波は、桑村の指にはまるマリッジリングに罪悪感を抱きながらも、彼との情事に落ちていく…。 渡辺淳一の原作短編を大胆に脚色し、上司との不倫や不確かな将来に惑う、微妙な心理を描いた女性映画。オフィスで交わされる視線劇や主人公のつぶらな瞳に宿る色香といった手堅い演出の一方で、手や階段、球など、七里作品に特徴的な物体や空間が要所に配されている。 準備十日、撮影一週間強、さらに十日ほどで編集という短い日程ながら、職人としての技量を存分に発揮したウェル・メイドな佳作。現代を生きる寄る辺ない孤独な魂の行方をスケッチした『眠り姫』に連なるテーマの、人が映る作品。 出演/小橋めぐみ 保阪尚希 高橋一生 中村麻美 田口浩正 西尾まり 矢沢心 川瀬陽太原作/渡辺淳一 脚本/西田直子 七里圭 撮影/高橋哲也 音楽/侘美秀俊 編集/宮島竜治 村上雅樹 録音/小林徹哉 助監督/村田啓一郎 監督助手/茶谷和行 林啓史 制作/平山高志 プロデューサー/今井朝幸 制作/円谷エンターテインメント 製作/アートポート            

司会プロフィール 横山昌吾 神奈川県生まれ。ロンドン・カレッジ・オブ・コミュニケーション(London College of Communication) で映画メディア学士を取得。帰国後、東京藝術大学大学院映像研究科映画専攻に入学し、編集を専攻。アッバス・キアロスタミ監督『Like Someone in Love』、アミール・ナデリ監督『CUT』, 石川慶監督『conversation(s)』、染谷将太監督『シミラー・バット・ディファレント』、ナグメ・シルハン監督『Maki』、半野善弘監督『彼方の閃光』など国内外の作品の編集などを担当。長年にわたり、ASEAN 諸国を対象とした国際映画制作ワークショップのディレクターを務めた。 映像メディア学博士。    
  登壇者プロフィール

七里圭

1967 年生まれ。約 10 年の助監督経験、テレビドラマ等の演出を経て、『のんきな姉さん』(2004)で監督デビュー。しかし、『マリッジリング』(2007)以外は自主製作に転じて、異色の作品を発表。声と気配で物語をつづる『眠り姫』(2007/ サラウンドリマスター版2016)が、15 年以上繰り返し上映され代表作となる。一方で、建築家・鈴木了二との共作『DUBHOUSE』(2012)をはじめ、他ジャンルのアーチストとのコラボレーション作品も多く、「音から作る映画」(2014 ~ 2018)、「シネマの再創造」(2019 ~ )など実験的な映画制作プロジェクト、映像パフォーマンスも手掛けながら、連続講座「映画以内、映画以後、映画辺境」を主宰。コロナ禍を経て、村上春樹ライブラリー・イメージ映像「The Strange Library」(2021)、記録映画『背 吉増剛造 × 空間現代』(2022)、昨年は久々の劇映画『ピアニストを待ちながら』(2024)を劇場公開。また、「石巻ハ、ハジメテノ、紙ノ声、……」(2023@京都芸術劇場春秋座)、「清掃する女:亡霊」(2023@早稲田小劇場どらま館)、「Music as film with Digital Heads」(2025@東京ゲーテ・インスティチュート)など上演映像作品の演出も続けている。
宮島竜治 1967 年生まれ。89 年からフリーランスの編集助手として、大映京都の谷口登司夫に師事。96 年『ロマンス』( 長崎俊一監督 ) でデビュー。『スウィングガールズ』『ALWAYS 三丁目の夕日』『永遠の 0』『ゴジラ -1.0』で日本アカデミー賞最優秀編集賞受賞。三原光尋、中江裕司、矢口史靖、西川美和、タナダユキ、山崎貴監督などの編集を担当。劇映画の他にドキュメンタリー、CM、アニメなど多岐に渡る。最新作に『ドールハウス』( 矢口史靖監督 )、『愚か者の身分』(永田琴監督)がある。 七里圭監督とはお互い助手時代からの交友があり、『のんきな姉さん』『夢で逢えたら』『マリッジリング』『ピアニストを待ちながら』の編集を担当した。 東京藝術大学大学院映像研究科編集領域客員教授。  

鵜飼邦彦

1950 年生まれ。69 年日活撮影所編集部入社。81 年日活退社後、「白日夢」(武智鉄二監督)でフリーの編集者として一本立ち。 82 年曽根中生監督と組み、独立プロ・フィルムワーカーズを立ち上げ『BLOW THE NIGHT! 夜をぶっとばせ』の製作に関わる。 85 年フィルムワーカーズ解散後、再びフリーの編集者として映画やテレビのドキュメンタリー番組などを手がける。 2010 年ドキュメンタリー映画「桃色のジャンヌ・ダルク」の監督を務める。 共同組合日本映画テレビ編集協会・理事。日本アカデミー協会会員。 1981 年、ヨコハマ映画祭の立ち上げメンバーとして現在も選考委員を続ける。 2023 年より、映画の街・調布映画賞で編集部門の選考委員をつとめる。  
主催:東京藝術大学大学院映像研究科 問い合わせ先:東京藝術大学大学院映像研究科 geidaimovie@gmail.com / 050-5525-2681(公開講座担当)