RAM|2/4(木)RAM CHANNEL #01「同時代芸術(コンテンポラリー・アート)とは何か?」ゲスト=桂英史
2021.02.01
RAM CHANNEL 開設
#01 同時代芸術とは何か?
RAMの新しい試みとして、オンラインでトークを配信するRAM CHANNELを開設することになりました。記念すべき第一回は、RAMのプロデューサーであり、そもそもの仕掛人である桂英史さんにご登壇いただきます。
昨年出版された『表現のエチカ 芸術の社会的な実践を考えるために』は、桂さんの30年にわたる教育実践の知が詰まった教育論であり、芸術のあり方を多角的に問うた芸術論です。アーティストやこれからアーティストになろうとしている人にとって、こんなに「役立つ」本はないように思います。それもそのはず、東京造形大学、東京藝術大学美術学部先端芸術表現科、現在の東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻と、桂さんのもとからどれだけ多くのアーティストが巣立っていったか、ほとんどマジックのように見えるその実績がすべてを物語っています。
しかし、桂さん本人が芸術のあり方や教育の秘訣を語る機会はほとんどありませんでした。ともすると保守化しがちな大学という場において、教育プログラムを革新しつづけ、今も芸術への問いを先鋭化させている背景にはどのような思想があるのか。ついに『表現のエチカ』にまとめられたものの、叙述が圧縮されている上に概念的であるため(だからこそ「役立つ」のですが)、取っ付きづらいと感じる読者も多いかと思います。
そこで身近に桂さんと接してきた高山明が一アーティストとして聞き役になり、著者本人に『表現のエチカ』を解きほぐしてもらいながら、「同時代芸術(コンテンポラリー・アート)とは何か」を真正面から問うていきます。
RAMプロデューサー
高山 明
|開催概要|
出演 | 桂 英史[メディア研究, 芸術実践論, 東京藝術大学大学院映像研究科教授] 高山 明[演出家, 東京藝術大学大学院映像研究科教授](聞き手) |
日時 | 2021年2月4日(木)19:00-22:00(延長あり) |
会場 | ライブ配信(YouTube Live) https://youtu.be/KemtsajUYOg |
視聴方法 | 無料・予約不要 ※ YouTube Liveでのライブ配信となりますので、インターネット接続が安定した環境からのご参加をお願いします。 |
主催 | 東京藝術大学大学院映像研究科 RAM Association |
協力 | コ本や honkbooks |
助成 | 2020年度文化庁「大学における文化芸術推進事業」 |
ウェブサイト | http://geidai-ram.jp/event/5500/ |
お問い合わせ | geidairam@gmail.com |
|出演者プロフィール|
桂 英史 [メディア研究, 芸術実践論, 東京藝術大学大学院映像研究科教授]
専門はメディア理論、芸術実践論、図書館情報学。主な著作として、『インタラクティヴ・マインド』、『図書館建築の図像学』、『東京ディズニーランドの神話学』、『人間交際術 コミュニティ・デザインのための情報学入門』、『せんだいメディアテーク コンセプトブック』(共編著)、『先端芸術宣言』(共編著)などのほか、最新刊として『表現のエチカ 芸術の社会的な実践を考えるために』(青弓社)がある。東京藝術大学大学院映像研究科教授。東京藝術大学大学院映像研究科が主催するノンディグリープログラム「RAM Association」のプロデューサーを務める。
高山 明 [演出家, 東京藝術大学大学院映像研究科教授]
1969年生まれ。2002年、Port B(ポルト・ビー)を結成。実際の都市を使ったインスタレーション、ツアー・パフォーマンス、社会実験プロジェクトなど、現実の都市や社会に介入する活動を世界各地で展開している。近年では、美術、観光、文学、建築、都市リサーチといった異分野とのコラボレーションに活動の領域を拡げ、演劇的発想・思考によって様々なジャンルでの可能性の開拓に取り組む。主な作品に『シドニー歌舞伎プロジェクト』、『ワーグナー・プロジェクト』(横浜、フランクフルト、大分)、『マクドナルド放送大学』(フランクフルト、ベルリン、東京、金沢、香港)、『ヘテロトピア・シリーズ』(東京、台北、アテネ、ベイルート、アブダビ、リガ、フランクフルト)、『横浜コミューン』(横浜)、『前橋聖務日課』(前橋)、『国民投票プロジェクト』(東京、福島ほか)、『完全避難マニュアル』(東京、フランクフルト)、『個室都市シリーズ』(東京、京都、ウィーン)など多数。
http://portb.net/
|関連情報|
『表現のエチカ 芸術の社会的な実践を考えるために』 桂 英史(著)
▼内容紹介(青弓社ウェブサイトより)
芸術家は、なぜ、自らの表現を発表することで社会に何かを知らせようとしたり、自らの表現を歴史化しようとするのか。
いまや世界中で一般的になっているインスタレーション、ミックスドメディア、パフォーマンス、インプロビゼーションなどの現代芸術特有の表現形態、さらにはトリエンナーレや芸術祭などのプロジェクト型の芸術活動なども、「行為の芸術」としてのインターメディアという考え方を基本にしている。いわゆる現代美術は、「行為の芸術」の社会実験としての役割を果たしてきた。だからこそ、政治、経済、科学技術、福祉あるいは環境とも関わらざるをえない。
本書は、「行為の芸術」としてのインターメディアを出発点として、「芸術とは何か」「芸術が存在する世界とは何か」という問いと向き合った論考である。とりわけ、同時代芸術で発揮されているさまざまな表現の実践を、エチカ=倫理の観点から論じる。
四六判 320ページ 上製
定価 2600円+税
ISBN 978-4-7872-7427-4 C0070
出版社 青弓社
書店発売日 2020年01月27日