RAM|9/24(木) OPEN LECTURE #10 伊藤比呂美 × カニエ・ナハ × 桂英史「アシブミする表現スル ― ポスト・トラベローグの道行き」


開催概要
ソーシャルメディアで覆い尽くされた結果、誰かの旅の報告を目にすることが多くなりました。だが、それもコロナ禍で移動さえも困難になってしまい、タイムラインが一様に変わったのは誰もが知るところです。本来、旅とメディアは睦まじいほど、どこかを訪れて、感じ考えたことを記して伝えることの歴史は厚く、表現する衝動を駆り立てる何かがそこにあるようです。本企画は、記録と表現の営為をめぐり、「トラベローグ(紀行文/紀行文学)」をテーマにして、実践の地平を広げるオープンレクチャーです。

詩人の伊藤比呂美氏をゲストに迎えて、カニエ・ナハ氏(詩人, RAMフェロー)、桂英史氏(メディア研究, RAMプロデューサー)が登壇し、11月にリリース予定の紀行文アンソロジー『ボヤージュ・ボヤージュ・イン・ザ・ボックス、アシブミ、ハイケイ、メイビーあるいは、旅の領界』を中心に、RAMメンバーが取り組んだ作品の紹介、朗読パフォーマンスを交えながら、同時代の言語表現についてディスカッションを深めていきます。

今回のオープンレクチャーは、Zoomウェビナーのオンライン開催です。多くの方のご参加をお待ちしています。参加無料、要予約。


出演 伊藤比呂美[詩人]
カニエ・ナハ[詩人, RAMフェロー]
桂 英史[メディア研究, 芸術実践論, RAMプロデューサー]
日時 2020年09月24日 [木] 19:30 ‐ 22:00
会場 ライブ配信(Zoom ウェビナー)
無料・要事前予約。開催前日に配信URLをメールにて送付します。
視聴方法 無料・要予約。定員300名。
 予約フォームよりお申込みいただいた方に、前日までに配信URLをお送りします。
※ Zoom ウェビナーでのライブ配信となります。インターネット接続が安定した環境からのご参加をお願いします。
※ 配信URLを第三者へお知らせする行為はお控えください。
※ 配信URLを記載したメールが届かない場合、お手数ですが geidairam@gmail.com までご連絡ください。
予約フォーム https://forms.gle/GeB59Si5UynfCKrNA
お問い合わせ geidairam@gmail.com
主催 東京藝術大学大学院映像研究科 RAM Association
助成 2020年度文化庁「大学における文化芸術推進事業」

 

地図に描かれたルートから外れ、旅をすることの意味も変わってしまった今、しばし立ち止まり、アシブミしつつ、そもそもヒトが旅をするとはなんであったか、今後ヒトが旅をするとはどういうことになってゆくのか、ここまでの/この先の、道行きについて考えてみる、珠玉の〈紀行文学〉をひもときながら。

初期の詩集から新刊『道行きや』にいたるまで、東京、熊本、カリフォルニア…etc.、つねに移動し移住し旅をしながら、唯一無二の文学をつむぎつづけている、詩人・伊藤比呂美氏をゲストにお招きし、今回は〈紀行文学〉の視点から、その特異なトラベローグ(旅の記録)の技法の、そのラディカルな表現の、旅の報告をしていただく。

そして、まもなくリリースされる、RAMメンバー16名の執筆陣による〈紀行文アンソロジー〉=『ボヤージュ・ボヤージュ・イン・ザ・ボックス、アシブミ、ハイケイ、メイビーあるいは、旅の領界』について、その独特の制作プロセス(これもまた旅だった)から読者へのお届け方法(これもまたきっと旅になる)までを、イントロデュースする。

カニエ・ナハ[詩人, RAMフェロー]

 

伊藤比呂美 [詩人]
1955年、東京都生まれ。性と身体性をテーマに現代詩をリードしつづけ
一方、80年代には『良いおっぱい悪いおっぱい』で出産・育児エッセイの分野を切り拓く。『河原荒草』『とげ抜き新巣鴨地蔵縁起』で、説経節と現代詩が融合した語り物の世界を作りあげた。近年は古典や仏教の現代語訳を通して生活の中の死と生を(『読み解き般若心経』『新訳説経節』)、女の生活、女の苦を(『女の絶望』『女の一生』『たそがれてゆく子さん』)を、また植物に関する著作も多数。近作は『切腹考』『道行きや』。1997年にカリフォルニアに移住、2018年に早稲田大学で教えるために帰国。任期は3年。現在、熊本在住。

カニエ・ナハ [詩人, RAMフェロー]
2010年「ユリイカの新人」としてデビュー。2016年、詩集『用意された食卓』で第21回中原中也賞、第4回エルスール財団新人賞。本の装丁や、アーティストとのコラボレーション、朗読パフォーマンスも多数行っている。主な参加展に「MOTサテライト 2017 春」(東京都現代美術館、2017)、「スペクトラム」(スパイラル、2015)等。2017年にはNHKのドラマ「朗読屋」に出演、スカパー!のアートドキュメンタリー「Edge 詩人カニエ・ナハ 未だ見ぬ詩の世界へ」が放送される。2018年には米アイオワ大学に、またフィンランド、ラハティ・ポエトリー・マラソンに招聘され、朗読パフォーマンス等を行う。2020年「さいたま国際芸術祭2020」「MIND TRAIL 奥大和 心のなかの美術館」に参加。

桂 英史 [メディア研究, 芸術実践論, RAMプロデューサー]
専門はメディア理論、芸術実践論、図書館情報学。主な著作として、『インタラクティヴ・マインド』、『図書館建築の図像学』、『東京ディズニーランドの神話学』、『人間交際術 コミュニティ・デザインのための情報学入門』、『せんだいメディアテーク コンセプトブック』(共編著)、『先端芸術宣言』(共編著)などのほか、最新刊として『表現のエチカ 芸術の社会的な実践を考えるために』(青弓社)がある。東京藝術大学大学院映像研究科教授。東京藝術大学大学院映像研究科が主催するノンディグリープログラム「RAM Association」のプロデューサーを務める。