1/14, 19, 20開催! オープンシアター「たむらまさき&東京藝大」
2018.12.26
東京藝術大学大学院映像研究科オープンシアター
たむらまさき追悼上映イベント
「たむらまさき&東京藝大」
【上映作品】『秋聲旅日記』『軒下のならず者みたいに』『私立探偵濱マイク 名前のない森』『ションベンライダー』『ドライブイン蒲生』『2/デュオ』『蛇の道』
【登壇者】磯見俊裕 大石三知子 黒沢清 越川道夫 諏訪敦彦 田中一成 長嶌寛幸 樋口泰人
【日程】2019年1月14日(月・祝) 19日(土) 20日(日)
【会場】東京藝術大学横浜校地馬車道校舎3F 大視聴覚室
【料金】入場無料・予約不要
【主催】東京藝術大学大学院映像研究科 横浜市文化観光局
【協力】ユーロスペース 読売テレビ キティ・フィルム 国立映画アーカイブ コピアポア・フィルム ビターズ・エンド KADOKAWA
【お問合せ】東京藝術大学大学院映像研究科映画専攻/opengeidai@gmail.com
東京藝術大学大学院映像研究科は横浜市文化観光局との共催で、映画上映会や講演会など、市民に開かれたイベント「オープンシアター」を定期的に開催しています。
たむらまさき。独自の感性でファインダー越しにいくつもの物語を見つけ、数々の名作を誕生させた伝説の映画カメラマン。2018年5月に亡くなった彼の映画人生は、多くの映画とたくさんの人との出会いでもありました。本イベントは、映画人「たむらまさき」が、東京藝術大学大学院映像研究科映画専攻の教授らとともに制作してきた作品にフォーカスを当てながら、「たむらまさき」とは何者であったのかを探る企画です。
たむらまさき(田村正毅)
1939年青森県生まれ。映画カメラマン、監督。1959年から2年間、人形映画製作所で人形アニメーションの撮影に携わった後、岩波映画製作所と契約。1970年、小川紳介監督『日本解放戦線 三里塚』(小川紳介監督/68年)でカメラマンデビュー。以降、1987年頃まで小川プロのドキュメンタリー作品と劇映画を並行して手がける。劇映画では黒木和雄、柳町光男、青山真治らと多くの作品を残す。他に相米慎二、石井聰亙(岳龍)、伊丹十三、佐藤眞、林海象らの作品に参加。90年代は諏訪敦彦、河瀨直美、鈴木卓爾ら新人のデビュー作品の撮影に多く参加。75歳で監督デビュー作『ドライブイン蒲生』(14年)を発表。『さらば愛しき大地』(柳町光男監督/82年)で毎日映画コンクール撮影賞を受賞。1997年にも『萌の朱雀』(河瀬直美監督)と『2/デュオ』(諏訪敦彦監督)で毎日映画コンクール撮影賞受賞。2002年、名前を「田村正毅」から「たむらまさき」に変更。2008年、文化庁芸術選奨映画部門文部科学大臣賞受賞。2018年5月逝去。
【上映作品】
『秋聲旅日記』
2003年/43分/カラー/スタンダード/DV
監督・脚本:青山真治|撮影:たむらまさき|音響:菊池信之|音楽:長嶌寛幸
出演:嶋田久作 とよた真帆 西條三恵 ケイコ・リー ナシモトタオ
作家・徳田秋聲の4作品をもとに構成された中編。秋聲自身が主人公となり、古都金沢の空間と時間とたゆたいながら、美しい女への思慕を語ってゆく。金沢の映画館シネモンドが企画した映画制作ワークショップから派生し、青山監督とたむらまさきを始めとする常連スタッフたちが、受講生たちとともに作り上げた作品。
『軒下のならず者みたいに』
監督・脚本:青山真治|撮影:たむらまさき|音響:菊池信之|音楽:長嶌寛幸
出演:斉藤陽一郎 中村優子 大久保鷹 伊藤秀一
東京郊外の安アパートで暮らす20代の青年の、不吉な日常が描かれる中編。青山監督「北九州サーガ」(『Helpless』『ユリイカ』『サッド ヴァケイション』)で「秋彦」役を演じる斉藤陽一郎が、主人公の青年を演じた。韓国のチョンジュ映画祭の企画により製作された作品。
『私立探偵濱マイク 名前のない森』
2002年/71分/カラー/ヴィスタ/35mm
監督・脚本:青山真治|撮影:たむらまさき|音響:菊池信之|音楽:長嶌寛幸
出演:永瀬正敏 中島美嘉 市川実和子 井川遥 鈴木京香 大塚寧々 菊地百合子
濱マイクは、横浜黄金町の映画館・横浜日劇に事務所を構える私立探偵で。成金風の男から、自分発見セミナーに入った娘を連れ戻してほしいと依頼され、マイクは山間の合宿所を訪れる。そこには “せんせい” と呼ばれる女と受講生たちが、奇妙な共同生活を送っていた……。テレビシリーズの映画版として作られた1本。
『ションベンライダー』
1983年/118分/カラー/ヴィスタ/35mm 国立映画アーカイブ所蔵作品
監督:相米慎二|撮影:たむらまさき 伊藤昭裕|脚本:西岡琢磨 チエコ・シュレイダー
出演: 藤竜也 河合美智子 永瀬正敏 坂上忍 原日出子
ジョジョ、ブルース、辞書の中学生3人組は、いじめっ子のガキ大将デブナガに今日こそ仕返しを目論む。ところがその矢先、デブナガが何者かに誘拐されてしまう。彼の行方を追いかける3人は、やがて思わぬ事態に巻き込まれてゆく。たむらまさきと相米慎二監督が共同作業した唯一の作品。冒頭の7分半にもおよぶ長回しが見る者の度肝を抜く。
『ドライブイン蒲生』
2014年/89分/カラー/ヴィスタ/DCP
監督・撮影:たむらまさき|原作:伊藤たかみ|脚本:大石三知子|音響:菊池信之|企画・プロデュース:越川道夫
出演:染谷将太 黒川芽以 永瀬正敏 小林ユウキチ 吉岡睦雄 黒田大輔 足立智充
ろくでなしの父が経営する場末のドライブインで、周囲からバカにされて育った姉の沙紀と弟の俊也。かつて家族に反発し、妊娠して家を飛び出した姉が、数年後、小さな娘とともにドライブインに戻って来るのだが……。若き名優・染谷将太を迎えた、たむらまさき75歳の初監督作品。
『2/デュオ』
1997年/90分/カラー/ヴィスタ/35mm
監督・構成:諏訪敦彦|撮影:田村正毅|美術:磯見俊裕
出演・ダイアローグ:柳愛里 西島秀俊 渡辺真起子
服屋で働く女と、売れない俳優の男。小さなアパートで同棲するふたりの生活は、強い愛と不安に覆われながら、かろうじて均衡を保っている。だが男のある一言をきっかけに、その均衡は崩れ始めてゆく……。諏訪敦彦監督の長編第1作目。ドキュメンタリーとフィクションの区別を無効化する本作のカメラは、たむらまさき以外にありえなかったと確信する作品。
『蛇の道』
1998年/85分/カラー/ヴィスタ/35mm
監督:黒沢清|撮影:田村正毅|脚本:高橋洋
出演:哀川翔 香川照之 柳ユーレイ 下元史朗 翁華栄
娘を誘拐され、性的暴行を加えられたうえに殺害された宮下は、自ら犯人に復讐を誓う。調べを進めるうちに謎の男がなぜか復讐の手助けをしてくれることに。やがて犯人らしき人物にたどり着く宮下だが、真相はどんどん彼の手をすり抜けてゆく……。続く『蜘蛛の瞳』と本作は、たむらまさきと黒沢清監督が共闘した貴重な作品となった。
【タイムスケジュール】
2019年1月14日(月・祝)
12:30 開場
13:00 『秋聲旅日記』(43分) 『軒下のならず者みたいに』(41分)
14:45 『私立探偵濱マイク 名前のない森』(71分)
16:10 対談:樋口泰人(映画批評家/boid主宰) 長嶌寛幸(音楽家/本学教授)
2019年1月19日(土)
12:30 開場
13:00 『ションベンライダー』 (118分)
15:10 トーク:田中一成(映画カメラマン/本学教授) ※聞き手:横山昌吾(本学助教)
16:30 『ドライブイン蒲生』(89分)
18:10 対談:越川道夫(映画監督/プロデューサー) 大石三知子(脚本家/本学講師)
2019年1月20日(日)
12:30 開場
13:00 『2/デュオ』 (90分)
15:00 『蛇の道』(85分)
16:35 鼎談:黒沢清(映画監督/本学教授) 諏訪敦彦(映画監督/本学教授) 磯見俊裕(美術監督/本学教授)
1月20日(日) 登壇者変更のお知らせ
諏訪敦彦(映画監督/本学教授)→ 市山尚三(映画プロデューサー/本学客員教授)
尚、当日は入場による混雑緩和のため、入場整理券を配布させて頂くこととなりました。
配布時間は、全日(1月14日、19日、20日)12:00となります。
また、整理券番号順にお並び頂く時間は、全日12:30とさせて頂きます。
席に限りがございますので、皆様のご協力のほど何卒宜しくお願い致します。
尚、今回の上映は入れ替え制ではございませんので併せてご了承下さい。
※各トーク、対談、鼎談は1時間を予定しています。
※登壇者は都合により予告なく変更することがありますので、ご了承ください。