RAM Association|《長崎修学旅行ワークショップ》開催決定

 

|開催概要|

東京藝術大学大学院映像研究科では、ノンディグリープログラムとして「インターメディア型プロジェクト・ベースド・ラーニング実践プログラム」(通称、RAM Association)を実施しています。今年度は「長崎修学旅行ワークショップ」を開講し、都市や社会のなかで問いを立て、創造性と社会性の新たな関係を探究する参加者を募集します。

「長崎修学旅行ワークショップ」では、近代化やアジア太平洋地域を考える上で歴史的地理的にも多様なテーマをもった「長崎」から、新たな芸術実践を目指していきたいと考えています。日常生活や社会規範が大きな転換を迫られるなか、同時代をいかにして表現していくのか、参加するメンバーは実践的に取り組み、プロジェクトを通して互いに学びあうワークショップです。具体的には、RAMプロデューサーで演出家の高山明 / Port Bが2017年より東京を中心に発表してきたアートプロジェクト『東京修学旅行プロジェクト』を展開するかたちで、「長崎」の修学旅行を構想し、作品化していきます。ツアーパフォーマンス、ドラマトゥルギー、ワークショップについての理解を深めていくプログラムでもあり、オンライン型の実践ワークショップを実施していきます。

RAM Associationは、芸術と社会の関係を更新する実践者の育成を図っています。社会課題や都市問題に向き合うプロジェクトをベースにして、「インターメディア(行為の芸術)」を手がかりに主体的に学んでいく機会を提供しています。自らの活動をよりアクチュアルに拡げたい方のご応募をお待ちしています。
※2021年度は新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、これまでの研修生募集から変更してプロジェクトごとに参加者を募集しています。

▶RAM Association
http://geidai-ram.jp

 

|WSディレクター・ノート|

学校に行ったことのある人なら誰もが修学旅行を体験したことがあると思います。行かなかったり行けなかったりした人でも修学旅行について考えた経験はあるでしょう。では今長崎に2泊3日の修学旅行に行くとしたら、どんなテーマでどこを訪問するコースをつくりますか?長崎の観光ツールとして開発された「長崎さるく」を参照し、また、自分が体験した修学旅行を思い出しながら、それぞれの「長崎修学旅行」のプランをつくっていきます。既存のリソースのどこをどう変えると町歩きが演劇作品になるのでしょう?その違いはどこにあるのでしょうか?具体的なプランをつくる作業を通じて、ツアーパフォーマンス、ドラマトゥルギー、ワークショップという3つの要素について考察していきます。(高山明)

 


 

|説明会|

説明会アーカイブ動画の視聴をご希望の方は、以下フォームよりお申込みください。ご視聴ページを案内いたします。

フォームURL| https://forms.gle/uNkozvkoghPscaL57


 

|募集要項|

▼ 参加対象者
・ 日本語でのコミュニケーションが可能な方
・ZOOMを利用したオンラインでの参加が可能な方
・作品やアートプロジェクトの制作を学びたい方
・ドラマトゥルギーについて学びたい方
・ツアーパフォーマンス制作の発想や理論を知りたい方
・修学旅行や観光ツアーのコース開発に興味がある方
・新たなワークショップ開発に関心のある方
・演劇的な発想を学びたい方
・同時代の芸術表現を実践的に問い直そうとする、アーティスト、演出家、映像作家、プロデューサー、キュレーター、研究者、エンジニア、建築家、編集者、プロジェクトマネージャーなど
・学生の応募不可(博士課程を除く。ただし応相談)


実施期間
|2021年12月〜2022年1月 全3回を予定

実施方法|基本的にZOOMを使用したオンラインでの開催
定員|20名程度
参加費|無料
募集期間|2021年11月17日(水)~12月1日(水)
募集方法ご応募の受付は終了いたしました。
※ 応募の前に説明会の視聴をおすすめします。また、応募者多数の場合には、事務局による選考となります。
選考結果|2021年12月初旬にメールで通知

お問合せgeidairam@gmail.com
主催|東京藝術大学大学院映像研究科
助成|令和3年度文化庁「大学における文化芸術推進事業」


 

|プロフィール|

高山 明 [演出家, 東京藝術大学大学院映像研究科教授]
1969年生まれ。2002年、Port B(ポルト・ビー)を結成。実際の都市を使ったインスタレーション、ツアー・パフォーマンス、社会実験プロジェクトなど、現実の都市や社会に介入する活動を世界各地で展開している。近年では、美術、観光、文学、建築、都市リサーチといった異分野とのコラボレーションに活動の領域を拡げ、演劇的発想・思考によって様々なジャンルでの可能性の開拓に取り組む。主な作品に『シドニー歌舞伎プロジェクト』、『ワーグナー・プロジェクト』(横浜、フランクフルト、大分)、『マクドナルド放送大学』(フランクフルト、ベルリン、東京、金沢、香港、ブリュッセル)、『ヘテロトピア・シリーズ』(東京、台北、アテネ、ベイルート、アブダビ、リガ、フランクフルト)、『横浜コミューン』(横浜)、『前橋聖務日課』(前橋)、『国民投票プロジェクト』(東京、福島ほか)、『完全避難マニュアル』(東京、フランクフルト)、『個室都市シリーズ』(東京、京都、ウィーン)など多数。
http://portb.net/

 

『東京修学旅行プロジェクト』とは?

『東京修学旅行プロジェクト』とは、演劇的手法で都市や社会に介入するプロジェクトを展開する高山明/Port Bによって、2017年に東京で始動したアートプロジェクトです。実在する修学旅行をベースに、ありうるかも知れない訪問地をコースに加え、国ごとに東京観光ツアーをつくるという方式でこれまでに複数のツアーが制作されています。

2泊3日のツアーとして、2017年に開催された「台湾編」「タイ編」「中国編」に続き、2019年に実施された「クルド編」「中国残留孤児編」「福島編」では、国民国家からはみ出た人々/ 難民を修学旅行の「ガイド」とした東京観光ツアーが展開されました。誰もが知っている「修学旅行」というフォーマットを利用する本プロジェクトは、都市を学びの場に変容させる試みでもあります。

▶『東京修学旅行プロジェクト』アーカイブサイト
https://tokyo-schoolexcursion-project.net/